†君、男~Memory.. limit of grief~
「始まるの7時からだから
それまで近くで遊ばない?
この会場の近くに
美味しいアイスが売ってるの」
まさに浮かれている朱音。
チケット片手にスキップしている。
しかし恵はずっと浮かない顔をしていた。
「さっきからレイン様子変だよ?
何かあったの?」結菜が訊く。
「何でもない…
大丈夫だから」
朱音と結菜は顔を見合わせ
首をかしげる。
『―――…レイン。
どうして俺を見つけたッ…』
あの後、私は何も
言うことが出来なかった。
返す返事が思いつかなかった。
私は、優兄の言うとおり
変わったというのか?
変わったはずなどない。
私は今でも夕日を嫌い、
貴方を見つけようとしている。
それが…変わったという
証明なのだろうか…。