†君、男~Memory.. limit of grief~








「生徒会の活動もあと少しだね」


7月に入り、生徒会室はしんみりしていた。
3年生の1学期までが生徒会役員。
もう時期終わるとなれば寂しくなるものだ。


「しんみりしすぎだ」


優介が言う。そしてプリントを3年の役員に配った。
ん?とみんな首を傾げる。


「何ですかコレ?」万里が訊いた。


「3年生の役員だけのお泊りみたいなものだ。
 生徒会活動を3年間頑張ったお礼にと、
 毎年夏休みにやるんだよ」


「凄い!私等だけですか!?」


「あぁ」


燐と万里は大はしゃぎ。
しんみりしていた空気も一変にして明るくなった。


「3泊4日の泊まり。
 これが生徒会最後の集まりだな」


「そっかー…じゃぁ思いっきり楽しまなきゃですね」


「…」


明るい燐達に比べて、
恵は悲しそうな表情を浮かべていた。



生徒会最後の集まり―――…


もう、こうやって集まる事もなくなれば
行事の準備をすることもなくなる…。




優兄から遠くなっていく――


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