†君、男~Memory.. limit of grief~
◇
「生徒会の活動もあと少しだね」
7月に入り、生徒会室はしんみりしていた。
3年生の1学期までが生徒会役員。
もう時期終わるとなれば寂しくなるものだ。
「しんみりしすぎだ」
優介が言う。そしてプリントを3年の役員に配った。
ん?とみんな首を傾げる。
「何ですかコレ?」万里が訊いた。
「3年生の役員だけのお泊りみたいなものだ。
生徒会活動を3年間頑張ったお礼にと、
毎年夏休みにやるんだよ」
「凄い!私等だけですか!?」
「あぁ」
燐と万里は大はしゃぎ。
しんみりしていた空気も一変にして明るくなった。
「3泊4日の泊まり。
これが生徒会最後の集まりだな」
「そっかー…じゃぁ思いっきり楽しまなきゃですね」
「…」
明るい燐達に比べて、
恵は悲しそうな表情を浮かべていた。
生徒会最後の集まり―――…
もう、こうやって集まる事もなくなれば
行事の準備をすることもなくなる…。
優兄から遠くなっていく――