†君、男~Memory.. limit of grief~
「先輩、2年間生徒会お疲れ様でした!」
3年の生徒会役員が退任する日。
2年は花束を一人一人渡していた。
しかしその場に恵はいなかった。
「蒼井先輩来ますよね?」
「…うん。来るよ」
無理して笑顔を作る燐。
気まずい空気が流れた。
「生徒会室、行かなくていいのか?」
「うん…」
その頃、恵は屋上に来ていた。
たまに吹く風が気持ちよかった。
「早いね…ホント」
「…寂しいか?」
寂しい?何でそんな質問するの?
そんなの答えは決まってるでしょう?
「寂しいよ…そう思うのが普通でしょ!?」
「…」
「ここに来るのも、寂しいのを紛らわすため…。
優兄がここにいるから…ッ」
何でこんな思いするの…
寂しすぎるよ――――