†君、男~Memory.. limit of grief~
夏休み/幸せはほんの一瞬

恵にとって“この”場所に足を踏み入れるのには
かなりの決断があったはず…。
しかし、今ここにいる以上戻る事は出来ないだろう。


「すごーい!かなり大きいロッジだよ!」


3年生徒会役員が泊まるロッジには昼前に到着した。
見渡す限り森のこの場所は、着いた直後
まるで恵達を歓迎するかのように
小鳥がさえずりで綺麗なメロディーを奏でていた。


「お前達は全員2階。
 これが見取り図だ」


優介はみんなにそれを渡す。


「一人一部屋ですか?」


そう。と答えると同時に恵以外の4人は
大喜びだった。


「裏が海になってるから」


「はーい!」元気のいい返事。
みんなは急いで自分の部屋へと向っていった。


恵も荷物を部屋に置き、海に行く。
優介からもらったネックレスをつけて。



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