†君、男~Memory.. limit of grief~


「レーイン!何してるの?」


砂浜を歩いていた恵のもとに燐はやってきた。
燐も一緒に歩く。


「凄いいいとこだね、ここ」


「うん」


「…せっかくこんなとこ来たんだしさ
 先生と話したら?」


「…」


そう、そう思わなきゃ駄目なんだ。


燐が恋を頑張ったように
私も―――…



「ありがと、燐」


「うん!」


歩く事が出来るのは当たり前。
恋する為に歩くのは難しい。


私の場合、“時間”を抱えてるから…
1歩歩く事にも決断がいるの。



私が求めているのは光ではない。
そう告げられた時、私は壊れかけた。


その事を優兄に話したら、
貴方は悲しそうな表情、したよね?


今思えばそれは答えを導き出す
ヒントだったのかもしれない。


最近忙しくてまともに考える時間がなかった。


本当は考えれば見つけ出すと思ったから?


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