†君、男~Memory.. limit of grief~
「燐!!」
「あっレイン起きたー」
キッチンに一人いた燐。
恵は叫んだ。
「どうして部屋に優兄がいるんだ!」
慌てている恵。
そんな恵を燐は笑った。
「砂浜で倒れているレインを先生が見つけたの。
で、部屋に運んだんだけど
レイン先生の服掴んだまま離れなくて。
仕方なく一緒にいたってわけ」
燐の説明に唖然となる恵。
無理もない、起きたら横で優介が恵に乗っかって
寝ていたのだから。
「着替えたい…燐、部屋貸して」
「はーい」
楽しそうな燐だが、恵は
それどころではなかった。
着替えた後すぐに部屋に戻る。
飛び出した時と変わらず優介は眠っていた。
「 」
スタンドに置かれたネックレス。
恵はそれを手に取り握り締めてその場に座った。