†君、男~Memory.. limit of grief~
時計の針の音だけが聞こえ、
恵が部屋に戻って1時間が経とうとしていた。
と、優介の声が聞こえてきた。
「うっ…」
ゆっくりと起き上がる優介。
恵の方に目をやった瞬間、お互い固まった。
「はっ!?えっ…いや」
慌てて別途から降りる優介。
「ごめん」と謝った。
「私の方こそ…ごめんなさい」
「「…」」
沈黙がさらにぎこちない空気を作った。
優介は思い切って口を開いた。
「俺、部屋戻るから」
「あっうん」
スタンドに置いてあった眼鏡を取り、
優介は部屋から出て行く。
バタンと扉が閉まると共に
恵の力は抜けていった。
鼓動が
聞こえる…
どうしたらいいの―――…?
昨日より、今より
好きになっていく。
貴方の事――――…