†君、男~Memory.. limit of grief~
「なぁ、海行くか?」
「え?今から?」
うん、と答えて優介は立ち上がる。
恵はその後ろについていった。
二人の姿を見ていた他の生徒会役員の人たちは、
全員顔がにやけていた。
「あの二人怪しいー」万里が言う。
「確かにな」と和馬も言った。
この二人は恵が優介の事を好きだと知らないからだ。
一方知っている燐と朱鷺はというと…
同じようににやけていた。
「幸せそうだなー」
「うん!…でも」燐の表情が曇る。
「レイン、心から笑ってる感じじゃ
なかった―――…」