†君、男~Memory.. limit of grief~
優介は恵の腕を掴んで引っ張る。
自分の方へと寄せた。
「…ゆう…ッ」
優兄が近い。
まるで、昨日のあの時のように…。
今までこんなにも近いことなんてなかった。
離れていくだけで、
手を伸ばしても掴めなかったから。
でもね、今もその状態は変わらないの。
こんなにも近いのに…
絶対に掴めない。
何故なら私が、離れていってるから。
これがチャンスに逆らった結果。
素直に諦めなかった結果なの。
私に幸せなんてないよ――…。
こうして3年生徒会役員5名は仕事を終えた。