†君、男~Memory.. limit of grief~
「もしや彼女とかかー?」
「―――…」
黙り込む恵。もしかしたらそうかもしれないと思って…。
「でも、あの人どっかで見たことある」
そう口にした万里。
恵はもう一度その女性を見た。
「そういえば…見たことあるかも」
「やっぱり!?どこだったかなー…
あー!出てこないのが悔しい」
何所だ。何所で見たんだ…!
何でそんなに優兄と話してる。
何でそんなに楽しそうなんだ。
何でこんなに、鼓動が聞こえるの―――
誰かが私の心を奪っていきそうな、
それぐらい、心臓が激しく鼓動している。
ドクン…! ドクン!
誰、なの――――…