†君、男~Memory.. limit of grief~
◇
「レイン?」
「あっ…都宮先輩」
それは9月の終わりのことだった。
偶然帰る途中で出会った恵と慎。
半年振りの再会だった。
「お久しぶりです」
「半年振りだな。
って…お前なんか暗いぞー」
そう言って顔を覗き込む。
恵は黙ってしまった。
慎は恵が悩んでいる事を当てたからだ。
「佐伯先生だろ?」
「そう…ですね」恵はそう返事するしかなかった。
二人は近くのベンチに座る。
恵の今の心情を聞いていた。