†君、男~Memory.. limit of grief~
さようなら
「じゃー明日から音合わせしていこ!」
校外学習も終わり、文化祭まで
残りわずかとなった。
いよいよか…とみんなの表情はいつになく真剣になっていた。
「えっとー…これが歌詞ね。
今回は朱鷺とレインの二人がボーカル。
まぁ朱鷺はサブという感じだけど」
歌詞を渡しながら燐はそう口にした。
恵はその用紙に目をやる。
しかしちゃんと見ていない。むしろ頭の中では
別のことが浮かんでいた。
つい先日宮原家に行った時の事だ。
起きたら横には実也がいた。夜空を見ていた。
実也なら分かってるよね?
私が求めているもの―――…
光は、本来のものを映すという大切な役目だったんだ。