†君、男~Memory.. limit of grief~
キャンプ
「と、いうわけで8月4日の日。
9時までに玄関に出とくようにの事で」
「はいはい。ところで私たちの
家族の分の場所、あるの?」
「何か俺がレインが水那に入ったって
聞いた時から一緒に行く気満々だったんだ。
だから予約済みだってよ」
「いつも準備が早いね」
部屋のソファに座って
夕日を見ながら恵は受話器越しに喋る。
「じゃぁまた電話するから」と言う優介の言葉で
電話は切れた。
ツーツー…と言う音が
恵の耳に響き渡る。
今日も夕日は綺麗に輝いている…。
赤く染まった空は、私をいつも
苦しめるだけなのに―――
夜が来ればもっと苦しむ。
貴方はもう、いないから…。