†君、男~Memory.. limit of grief~


「レイン」


「―――…」


文化祭も終わり、それぞれの片付けが終わった後
みんなは帰っていく。
恵もその一人だが、帰る気配はなく
中庭のベンチに座っていた。


「2学期入ってから話す機会なかったからさ、
 …最近どうしたんだ?
 安井も心配してたぞ」


「…」


何も言わず立ち上がり、優介の横を通る恵。


「レイン!」その一言で恵は止まった。


「何で黙ってんだよ」


「…貴方と話す事がないから」


冷却な空気が流れる。
恵の冷たい口調に優介は身震いした。


「貴方の頭の中から私の事…全て消してほしいの。
 これからは生徒と先生の関係だけ。
 だからもう…過去の事は関係ない」


「       」


これで終わり。


終わらせるんだ。



「さようなら」






 
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