†君、男~Memory.. limit of grief~
付き合って1ヵ月半が経っても、
私達は何も変わらなかった。
私に彼を助ける事、出来ないの?
「あれ?優介知らない?」
一緒に帰ろうと思っていたのもつかの間、
いつの間にか優介はいなくなっていた。
「ついさっき教室出たの見たよ」
「ホント?ありがとう」
明美は鞄をかけなおし走っていく。
優介に追いつくかもしれないと思ったから。
しかしその行動は間違っていたのかもしれない…。
初めて見た優介の笑顔。
あの子に向けられていた――――…
「なんだ…」
“ずっと好きでした!付き合ってください”
“別にいいけど”
浮かれてた私が馬鹿みたい。
最初から無理だったんじゃない。
彼の心を癒すのも、解き放つのも
あの子じゃなきゃ駄目なんだ…。
「優介…別れよ?」