†君、男~Memory.. limit of grief~
◇
「めぐちゃん、燐ちゃんが遊びに来てるわよ。
…めぐちゃん?」
部屋を除くがそこに恵の姿はなかった。
恵は一人、外に出ていたのだ。
“初めまして、近藤明美です。
よろしくね?”
何所かで見たことあると思ってた。
まさかあの時の人だったなんて…。
でももう私には関係ない。
優兄とは一切関わりはないの
二度と―――…過去も未来も。
恵は携帯を取り出し、電話帳を開いた。
『 電話帳削除
佐伯優介
削除しますか? 』
恵は強くゆっくりとボタンを押した。
『 はい 』