†君、男~Memory.. limit of grief~






「燐、昨日私の家来たんだって?
 いなくてごめん」


「あっ…うん、全然いいよ」


代休も終わり、普段通り学校に登校してきた恵。
けれど目を合わそうとしない燐。会話が弾まない。
二人は向き合ったまま沈黙が続いた。


そして何も話すことなくチャイムがなる。
席に戻ろうとする燐に恵は一言言った。


「知ってるんだろ…?」


「       」


ハッとして振り返った燐だが
すでに恵は席についていた。他の生徒も座っている。
鳴り響く鼓動を抑え、燐も席に座った。


しかし授業中も恵の事で気が気ではなかった。
早く休み時間になれと願うばかりだ。



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