†君、男~Memory.. limit of grief~


「レイン!」荒々しい声で言う燐。


「…来ると思った」


号令の後すぐさま恵のもとに駆け寄る。
荒々しい声で言った


「先生から聞いたの…。
 どういうことかちゃんと説明してよ…。
 何で“さようなら”なんて言ったの?」


「終わらせるって決めたから。
 私は自分の事しか考えてなかった最低の人間。
 今更気づいても遅いかもしれない…。
 でも、それでも消そうと思った」


「…ッ!じゃぁ今までのは何だったの?」


周りは視線は一斉に恵達に向けられた。
しかしそんな事気にしている暇などない。
恵の発言に腹を立てている燐。
恵の口が開く前に続けた。


「終わりって何?どうして消すのよ!
 今までだって諦めず頑張ってきたじゃんか。
 なのにどうして今になって…ッ」


怒りをあらわにする燐。
しまいには恵を叩いていた。周りは唖然だ。
 

「消すなんて事私嫌だよ!!」


必死に感情を抑える恵は
ゆっくりと燐の方に手をかけた。


「もう…大丈夫だから」


「      」


目が潤んでいる。
いつしか恵の視界は、燐の姿を捉えられないほど
涙でかすんでしまっていた。



少しでもぐらつけばそこでお終い。



もっと壊して、消して…


見えなくしてよ――――…。



「ごめん…」



ごめんなさい。





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