†君、男~Memory.. limit of grief~
◇
「恵ちゃん?」
「 」
私達は出会ってしまった。
道に迷ったこの世界で…。
「恵ちゃんだよね?久しぶりー!
凄い大きくなったね」
「お久しぶりです…」
ここから離れたい。今すぐ。
恵の目に焼き付けられていく明美の姿。
早く逃げ出したかった。
「その制服、水那高校だよね?」
「はい…」
無理して明るく振舞う明美。
恵には分かっていた。
本当はそんな笑顔したくないくせに…と。
「優介そこで教師してるよね?
会ったりするの?」
「担任です」
視線を明美に向け、冷たい口調で言う。