†君、男~Memory.. limit of grief~
「そ…そう」
切迫した口調。
「どういった理由で優兄に会いにいったんですか?
…2年前のオーロラ花火大会、
一緒にいましたよね?」
「…ッ」
明美は返す言葉もなく、恵から目を逸らす。
「私の事…恨んでますか?」恵は静かに言った。
「私がいなかったら、優兄と別れずにすんだって
どこかかで思ってるでしょう?」
「…思ってたわよ。でも、
今更そんなこと思っても仕方のない事でしょ?」
乱暴に言うものの、その言葉には感情がこもっていた。
「そうですね…。でも、それでも優兄の事諦められなかったから
会いに行ったんでしょ?同窓会も…」
「何で同窓会の事…」それ以上は言わなかった。
「別に貴方には関係ないの事でしょ?
何が言いたいの?」
「ごめんなさい…。貴方が羨ましかったんです」
肩をすくめて悲しげに答えた。
「え?」