†君、男~Memory.. limit of grief~


「りっ燐?」


息を切らし、険しい様子。
燐は一息つかず率直に話を切り出した。


「先生の事…諦めないで」


「      」


「無理やり諦めるなんて事、
 私絶対認めないから!!
 言って…今でも好きだって…言ってよ」


「――――…ッ」


「我慢はさらに自分を壊す事になるぞ」


「   実也!?」


いつの間に?と訊く間もなく実也は恵に近づく。
ポンと頭に手を乗せた。


「弱い心でここまで頑張ったレインは凄い。
 だから俺はこれ以上苦しまないように
 諦めさせたかった…。
 けど、今のお前見てたら最後までやんねーと駄目だ。
 ここで諦めたら一生後悔するぞ?」


「…」


どうして、みんなそんな事言うの?



“さようなら”


その一言で終わったはずなのに…



「優介さんの事、好きなんだろ?」



みんなが見守って、支えてくれる強さ、
愛しいと思える?


「…ッうん」



こんなにも空は晴れてて、
私の望む雨は降らない。


それで、いいのかな――――…?



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