†君、男~Memory.. limit of grief~
私はあの時、
“優介さんの事、好きなんだろ?”
素直に“うん”と答えた。
終わらせようとした私の心を揺れ動かせ、
引き戻してくれるみんながいたから。
でも…それが正しい判断かどうかは
誰も分かるわけがない。
―――“私は貴方の気持ちに答えられないわ”
「 嫌!!!」
頭を抱え、その場に膝を突く。
涙を零した。
ふと、誰かの影が恵に立つ。
…鳥肌を感じた。
ゆっくり顔を上げ予想していたその姿に
恵は息を呑んだ。
「…明美、さん…」
「…何で泣いてるの?」
何で?そんな事答えれるわけがない。
「ごめんなさい」