†君、男~Memory.. limit of grief~


私は再び月を見る―――…。


美しいと思いたい。…思えるように願うの。


「レイン!!」


「      」


夜空を見ていた恵は顔を下げる。
息を切らした優介がいた。笑ってる。


「忘れたのか?
 俺の前から消えるなって…去年言っただろ」


「…ッ」


一気に涙がこぼれた。
嬉しくて?悲しくて?…どれも違う。



砂時計は決して微笑んではくれない。




「…」


二人の姿を明美が見ているなんて
恵達は気づいていなかった―――…



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