†君、男~Memory.. limit of grief~


「私に与えられた期間は3年でした…。
 けどそれは想いを伝える期間じゃない。
 諦めさせるための3年だったんです」


「    」


「8年前に生まれた感情を
 消すための…時間だった。
 でも私はそれに逆らって今がある。
 卒業すれば二度と優兄と関わる事はない。
 だから私にはもう可能性がないんです」


「それで貴方はその恋を私に託すと言うの?
 貴方に叶う可能性がないからそんな事言うの!?
 叶わないからって――…」


「私は叶わないんじゃない!
 叶えられないんだ!!」


恵は明美の言葉を遮る上に感情をぶちまけた。


「…っ。たとえ私の方が可能性あるから貴方が諦める事になっても、
 絶対貴方は納得しないわ!
 もし納得してもそれは無理やりよ?分かってるの?」
 


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