†君、男~Memory.. limit of grief~







「本当なの!?レイン!」


「うん。合格した」


感動のあまり声を失う燐。
恵は国立大学に合格したのだ。
朱鷺も国立に、和馬は私立大学に合格が決まり、
生徒会全員無事に卒業出来そうだ。


やった!と飛び跳ねる燐は鞄の中から
2枚チケットを取り出した。


「これ、レインにあげる。プラネタリウムのチケット。
 ここ、ホント凄いみたいだよ。
 2枚あるから…先生と行って?」


「…」


ためらう恵。それでも燐はそのチケットを
無理やり恵の手に握らせた。


「お願い。どうしても行ってもらいたいの」


「うん…ありがと」


しっかりと握り締めたチケット。
恵は走り出す。風を切り裂きながら…。




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