†君、男~Memory.. limit of grief~
終わりを告げる砂時計
「優介…!」
「 近藤―――?」
「お前、どうして…」
日曜日。待ち合わせ場所に15分早く来てしまっていた優介。
適当な場所に座っていると、慌てた様子の明美が
声をからして優介のもとにやってきた。
「そこで優介を見かけて…。
…恵ちゃんと待ち合わせ?」
「あぁ…」
ぎこちない空気が流れる。
二人とも目線を逸らした。
「優介」
「?」
明美の手は優介の腕を掴む。
そして掴んだまま走り出した。
困惑した優介は何度も明美を呼ぶ。
しかし明美は一切表情を変えずひたすら走っていた。