†君、男~Memory.. limit of grief~
「レイン?」
「燐――…」
時刻はもう2時半。
傘も差さず待っていた恵は当然びしょ濡れだ。
燐は慌てて差していた傘に恵を入れる。朱鷺もいた。
「傘も差さず何やってんの?
ってか、今日プラネタリウムのチケット…」
「来ないんだ」
「 」
冗談でも笑えない一言。信じられない。
朱鷺は燐の鞄を取り、静かに言った。
「探してくれば?俺そこの喫茶店にいるから」
「…ッありがと」
燐は恵の腕を掴み走り出す。
恵は俯きながら「ごめん…」と呟いた。
「何やってんだよ、先生…」