†君、男~Memory.. limit of grief~








雨は激しくなる一方。止まない。



始まりも、終わりも、雨で終わらすつもりなのか…?



砂時計の音が小さくなってる。




「ハア…ッ先生どこにいるんだろ」


「もういいよ、燐。
 私は平気だから」


恵は燐の袖を掴んで言う。
手は震えていた…。
無理して言っているようにしか見えない。


「何強がってんの。震えてるじゃんか…。
 私は諦めないから。
 こんなにもひたむきなレインが悲しむなんて
 絶対に認めない」


「…ッ」


こんなにも真っ直ぐ、こんなにも恵の事を考えてるのは
きっと燐だけだろう。
それでも恵は涙をこらえていた。


すると燐が「あれ…」と恵の後ろを指差す。
振り返ったその先には…



「      」


明美さん――――…



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