†君、男~Memory.. limit of grief~


本当に、今日で卒業なんだ…。


水那高校で過ごした3年間に
終止符が打たれるんだね。


…本当にこれでいいの?



レイン―――…貴方はそれで満足?


もう先生と会えなくなるかもしれないんだよ?



けど、私に何かを言う権利はない…。
レインが選んだんだもん、何も言えない。



でもさ―――…


やっぱりこんなの嫌だよ。



“あんなにも純粋な心を持った子、
 初めて見たわ―――…”


何であんなにも頑張ってたレインが
幸せにならないの?おかしいよ…。






「生徒、退場。1組―」


一人一人名前が呼ばれていく。
1組…2組…と退場していった。
来賓の拍手、お世話になった先生、
ブラスバンドの演奏、どれも全部最後なんだ…。


この校舎とも、これでお別れ――。



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