†君、男~Memory.. limit of grief~



「レイン!」


グラウンドに向う途中、燐は人ごみを掻き分け
恵の呼ぶ。そのまま腕を引っ張り校舎の入り口まで避ける。


「どうした?」


「どうしても伝えたい事があって…。
 レインはもう聞きたくないかもしれない、
 でも私はどうしてもいいたいの…!
 日曜日、あの人は先生に別れを言うために一緒にいたの!
 レインの事…純粋だって言ってた」


「―――…燐、私は…」


そう言いかけたとき、万里が遠くの方から二人を呼ぶ。


「おーい!生徒会のメンバーで写真撮ろうよ!」


大きく手を振り飛び跳ねる万里。
「いこ」と恵は歩き出す。



「      」


「レイン?」


不意に恵は立ち止まる。
燐は恵に駆け寄るが、その前にあるモノが目に入った。



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