†君、男~Memory.. limit of grief~



「優兄…」そう恵は呟く。
目の前には花束を持った優介がいた。
やはりさっきの花びらは優介だったのだ。


「レイン…」


優介も恵に気づき体を恵の方に向ける。
ゆっくり歩き出した。


二人の距離が3mぐらいのとこで立ち止まり、
恵の方から話を切り出した。


「この1週間、優兄の事忘れたと思ってた。
 でもそれはただの勘違いで…。
 本当は、ずっと…ずっと気持ちは変わってなかった」


優介は頷く。「うん…」


「諦めるなんて出来ない、
 さよならなんて嫌だ!
 私…大好きだよ優兄の事!!」


「     」


あの日言えなかった事


「貴方と離れる事が凄い辛くて」


今だけは素直になりたい


「一緒にいたいって思うほど怖くて、
 けど私…」


ふと優介の手が恵の髪に触れ、
そのまま抱きしめる。


「分かったからもういい」と言う言葉と共に…。



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