†君、男~Memory.. limit of grief~
「何歌うー?」
キャンプから帰ってきて1週間後の日曜日。
恵を含む6人はカラオケにいた。
もちろんこれは井上信吾だ。
けれど朱音は大いに喜んでいる。
「カラオケだーいすき!
気分がスッキリ出来るもんね」
「朱音は何処にいても盛り上がるね」
「当たり前じゃん。
盛り上がらないと楽しくないでしょー」
マイク片手に歌う気満々。
横で恵は黙ってままだった。
「レインは歌わないの?」
結菜が声をかける直前だった。
先に声をかけたのは信吾だ。
「歌うのそんな好きじゃないから」
「でも1度くらい歌いなよ。
うちも一緒に歌うからさ」
結菜も誘うが恵は断り、
途中から雑談に変わっていった。