†君、男~Memory.. limit of grief~




「あんたねー…」


8月下旬。
夏休みも終わりを迎えようと
した時のことだった。


恵の目の前にいるのは
宿題を必死にしている燐だ。
溜まっていた宿題を
一気にしていた。


呆れた恵はため息をつく。


「だっていろいろ忙しかったんだもん。
 ホントごめん」


手を合わせて謝る燐だが、
恵は聞く耳を持たなかった。


「許してよー。
 レインしか頼れる人いないんだもん。
 ここまで完璧なのはないって」


必死で書き写す燐。
恵はとうとう欠伸をし始めた。
燐が恵の家に着てから2時間が経つ。
半分終わったぐらいといったところだろう。


「いつ終わんのよ」


「あと少しだから待って!」


そこから二人の会話はなくなった。
恵も暇になったのか、
横になる。時計の針の音が
部屋に響いていた…。




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