†君、男~Memory.. limit of grief~
「出来た!…ってあれ、レイン?
寝てるのー?」
横になった恵はいつの間にか
そのまま眠ってしまっていた。
「仕方ないか」
燐は立ち上がりトイレに行こうとする。
しかし、扉の横にある棚の
アルバムに目がいく。
「日記がある…」
燐が手にしたのは5年前の日記だった。
それをめくる中、途中でその日記は
止まっていた。2月13日の話だ。
“2月13日。雨。
私はとても最悪なことをしてしまった。
もう戻ることなんて出来ないね…。
私は裏切ったのだから。
叫んだ声も、届かなかった。
明日はバレンタインと言うのに、
こんなんじゃ何も意味ないよ”
「裏切った…?」
誰を?と考え始める燐。
ふと恵と中学2年の時に
交わした会話を思い出した。