†君、男~Memory.. limit of grief~


生徒会の人が一人、
また一人と出てくるごとに
歓声はでかくなるばかり。


特に慎が出て来た時などは
女子も男子も大きな声で
名前を呼んでいた。


「えー今年の生徒会長、
 蒼井恵さんことレインが
 ボーカル担当ということで
 頑張ってもらいます」


慎の説明で客席は
静かになった。


しかし、小声で「1年が?」
などと言った文句が飛び交う。
その声を聞いた燐は怒り、
慎からマイクを奪う。


「レインの歌のうまさ、
 どんだけのものか知らないくせに
 文句いうんじゃねーよ!」


「燐!」


焦った恵。
慌てて燐の口を塞ぐ。


「まぁまぁ」燐は笑う。
外の生徒会の人達も
笑っていた。


まるで心が
一つになったかのように…






「では2曲歌いますので
 お楽しみくださーい」



拍手が響き、慎の
ドラムで始まってく。



舞台裏からは優介が
見守っていた。




しかしその視線の先は






レインだった――…



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