†君、男~Memory.. limit of grief~
繋がれた鎖――…
それが一度離れてしまったら、
戻すことは不可能に近いものだ。
今だって信じていない。
繋ぐ事など出来ないと、
あの時から思ってた。
「 」
いつの間にか眠っていた恵。
別途に横たわり、涙を流していた。
ベランダに出て星を眺める。
三日月が綺麗に輝いていた。
偶然とは、とても怖いものだ。
むしろ偶然ではないかもしれない。
神が仕組んだいたずら…
でも、そのいたずらは無意味です。
悲しみを見たいのだろうか――
「レイン?」
「 優兄――」
インターホンの前で立っていた優介と優介の家族。
どうやら恵の家に遊びに来たらしい。
恵は急いで階段を駆け下り、優介を家に入れた。
親は驚き、久しぶりの再開に花を咲かせていた。