†君、男~Memory.. limit of grief~

聞こえなくていい。


聞かないでいい。



でも…言わないで――



「壊せないのは弱いだけ。
 …ッあの時のように
 突き放せばいい」


「       」


違う――…


優兄が突き放したんじゃない。




“私”が突き放したんだ―――…



「違う…違う…!」


「レイン!?」


突然走り出した恵。
屋上から姿を消した後、
忽然と雨は降り出した。






私は…罪に塗れし人間。




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