†君、男~Memory.. limit of grief~
◇
「レイン、どうしたの!?
びしょ濡れじゃんか」
体育館に戻ってきた恵は
雨に濡れたせいでびしょ濡れだった。
水那高校の体育館は
校舎とは違う場所にあり、
どうしても雨が降っている時は
濡れてしまうのだ。
「ちょっもうすぐで閉会式だから
急いで拭かないと」
燐は急いで生徒会室に戻り、
タオルを持ってくる。
周りの人も恵みの様子を
心配そうに見ていた。
「大丈夫か?」
頭を抑える慎。
恵の顔を覗き込む。
「大丈夫です…
心配いりません」
その場から離れた恵。
校内祭も終わり、
生徒会の役員も明日の話し合いをした後
すぐ帰っていった。
ただ、優介は
生徒会の話し合いには来なかった。