†君、男~Memory.. limit of grief~






「レイン、どうしたの!?
 びしょ濡れじゃんか」


体育館に戻ってきた恵は
雨に濡れたせいでびしょ濡れだった。


水那高校の体育館は
校舎とは違う場所にあり、
どうしても雨が降っている時は
濡れてしまうのだ。


「ちょっもうすぐで閉会式だから
 急いで拭かないと」


燐は急いで生徒会室に戻り、
タオルを持ってくる。
周りの人も恵みの様子を
心配そうに見ていた。


「大丈夫か?」


頭を抑える慎。
恵の顔を覗き込む。


「大丈夫です…
 心配いりません」


その場から離れた恵。
校内祭も終わり、
生徒会の役員も明日の話し合いをした後
すぐ帰っていった。


ただ、優介は
生徒会の話し合いには来なかった。




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