†君、男~Memory.. limit of grief~



「雨も止んだみたいだね」


「うん」


「…あっ明日は一般祭だし
 いっぱい食べもん食べようね!
 でも私昼から回るんだよなー」


「うん」


「…レインー」


しょぼくれる燐。
会話は弾まなかった。


「何があったかは知らないけど、
 元気出してよー。
 せっかく生徒会のライブも
 成功したんだしさ。
 あれすごかったんだよ!」


「ゴメン燐。今の私は
 上手く喋れない」


「―――…レイン」


「馬鹿だ…私」



何をやってるんだろ。



突き放したのを人のせいにしてる。
裏切ったのは私なのに…。



「馬鹿なんかじゃない。
 レインは強いから、
 私なんかよりもずっと強いから…
 たまには弱音吐いていいんだよ」


「…燐ッ」



恵はその場に泣き崩れ、
今までの我慢を吐き出していた。



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