†君、男~Memory.. limit of grief~




イ ツ ワ リ …?






「何も反論しないってことは、
 この1ヵ月半そう思ってきたって…」


「違う!そんな考え…」


本当にそう言える?



私はその時どうしても
その偽りと言う言葉が頭から離れなかった。


5年間私が探していたもの、
それは自分を隠すための…守るための
偽者の思いだったというの?



「さよならって言え」


「       」


「そうすればレインが
 苦しむこともなくなる…」


「…言わない。
 言えない…ッ」


ポタポタと落ちる涙。
その量は多くなっていく。


「レイン…!
 ……ゴメン」



今までの思いは偽者だったのか?


それとも本物――…?



最後に見た貴方の表情、
私より辛そうだった。



< 99 / 482 >

この作品をシェア

pagetop