†君、男~Memory.. limit of grief~
イ ツ ワ リ …?
「何も反論しないってことは、
この1ヵ月半そう思ってきたって…」
「違う!そんな考え…」
本当にそう言える?
私はその時どうしても
その偽りと言う言葉が頭から離れなかった。
5年間私が探していたもの、
それは自分を隠すための…守るための
偽者の思いだったというの?
「さよならって言え」
「 」
「そうすればレインが
苦しむこともなくなる…」
「…言わない。
言えない…ッ」
ポタポタと落ちる涙。
その量は多くなっていく。
「レイン…!
……ゴメン」
今までの思いは偽者だったのか?
それとも本物――…?
最後に見た貴方の表情、
私より辛そうだった。