一番星
何時間たっただろう。

いや,多分30分も経ってない。

でも。

この時のイズにとってはたった1分が長く感じた。



そして気付けば泣いていた。

泣きじゃくるわけでもなく声を押し殺すように泣くわけでもなく。

たださっきまで聖ちゃんがいたところを見て涙を流すだけ。

悲しくてないているのか苦しくて泣いているのかさえ分からなかった。





「泉!!
 いーずーみーっっ」

誰・・・・・・?

満かな。

そんなことを考えながらイズは目を開けた。


「・・・・・・ここどこ!?
 って保健室かぁ。」

さっきまで教室にいたはずのイズは気付けば保健室のベットの上。


「満っっ
 なんでイズここにいるの!?」

「泣いてたイズを教室から移動させようとしたら倒れたから。
 それで保健室に運ばせた。」

そっか。

・・・運ばせたって何?

たしかに満じゃイズを持って保健室までとか無理だと思う。

力ないし。

あっ運転手さんかな。




このときイズは勝手に解釈して満に『誰?』なんて聞かなかった。

でも聞いておけばよかったな・・・・・・










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