一番星
私は家に帰ってすぐに満に電話した。

いつもは淡々と話す満が『よかった・・・』て言って鼻を啜った。

口に出したら怒るから言わなかったけど泣いてたんだよね?

ごめんね心配かけて。



あの日から私と建斗は仲良くやってる。

でも麗に『おめでとう』って言われたときも建斗に優しくされてるときも胸が痛む。

まだ聖ちゃんを忘れられないもん。

私は建斗に甘えてる。

酷いよね・・・

このままじゃだめなのも分かってるけど・・・


満に相談しよう・・・


「満~
 どうしたらいい?」

「知らない。
 もう少し秋吉といてみたら?」

「そうするー」

満への相談終了。



今日の放課後も建斗が迎えに来る。


「長谷川~」

「はいっ
 じゃぁね!」

今日もいつもどうりに話して帰る。


「ねぇ建斗。
 私まださ・・・」

「分かってる。
 いいよ。それでも。」

やっぱ優しい。


ごめんね建斗。

聖ちゃんを忘れたいから・・・楽になりたいから・・・

利用してるのわかってる。

罪悪感でいっぱいだけど。

あと少し

あと少しだけ...
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