一番星
私は途中でトイレに寄った。

誰もいないことを確認した私はさっきまでこらえていた涙を流す。

建斗の前で泣くのは絶対だめだと思ったから。


「うわぁ…
 涙でぐちゃぐちゃ...」

鏡で自分の顔を見て思わず口に出た。


♪~♪♪~

突然鳴る携帯にびっくりする私。

慌てて携帯を開くと満から嬉しいメールが届いてた。

涙でぐちゃぐちゃの顔のことも忘れて保健室に急ぐ。



「聖ちゃん!?」

私は勢い良く聖ちゃんが居るはずのベットのカーテンをあけた。


「うぉっ
 ...泉か。」

聖ちゃんはどこか悲しそうな顔で『座れば?』と言い椅子を指す。

大人しく座る私。


「どうしたの?
 話あるんだろ?
 満から聞いてるよ。」

...満のばかぁ!

私の気持ちバレてるってことじゃん。

もうこうなったら開き直る。


「そう!
 私は聖ちゃんが好きなの。」

私の言葉に固まる聖ちゃん。


「嘘だろ?
 秋吉が好きなんじゃなかったのか?」

「私的にはその話が『嘘でしょ?』だよ。」

「やっだって満が『誰かさんに気持ち伝えるから後で来る』って言われて...
 秋吉のところに...」

そう言いながら聖ちゃんの顔が赤く染まっていく。


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