一番星
その時聖ちゃんの首にも同じ物がかかってきた。


「・・・おそろい?」

「そう。」

ニカッと笑った聖ちゃんに抱きつく私。

拓也もつけてたらしく満も何か言っている。


「お前ら付き合ってるみたいだよなー。」

拓也が私達を見ていった。

その言葉を聞いた聖ちゃんの顔が曇る。

確かにどこからどうみてもバカップルにしか見えないだろう。

でも実際は付き合ってない。


「でしょー?
 私は彼女になる予定なの!」

すかさず私は聖ちゃんの顔を覗き込みながら言う。

優しく微笑んでくれた聖ちゃんは『ねー!』って繰り返す。


それを見た拓也は満を抱き寄せ『ぜってぇ負けねぇ!』って張り切りだした。


「「「お前やっぱ馬鹿」」」

そう3人から言われた拓也は言い返す言葉なし。


「お前ら今すぐ出て来い!!」

またまた怒鳴り声。

さっき騙された私と満はその声を無視。


「早く出てこねぇと職員室行きだぞ?」

その声の主はよくよく聞く私達の担任のものだった。

大人しく私達は屋上を出る。


「よし。
 居残り掃除で許してやる。」

職員室行き&1週間の居残りトイレ掃除を覚悟した私達への罰は軽かった。

抵抗しなかったからかな?



< 67 / 75 >

この作品をシェア

pagetop