一番星
第三章

空を見上げて

いつものように聖ちゃんと歩く帰り道。

まだ少し明るいけど星が出ていた。

ふと空を見上げたとき私達は無意識に『『一番星...』』と声に出した。

聖ちゃんと顔を見合わせて笑いあう。

私はまだ『一番星』のことを覚えてくれているのかもしれないって思って嬉しくなった。


「やっぱ大好きー!」

聖ちゃんの腕に抱きついて言った。


「俺も...」

「ん?」

「んにゃ。」

聖ちゃんはこの頃よく何かを言いかけて止めるようになった。

疑問に思うけど詮索するのもどうかと思って何も言わないけど。

無理には絶対聞き出さない。

言ってくれるのを待つ。


「ねぇ聖ちゃん。
 寄り道しない?」

でも今日はどこかといつもと違う。

今の聖ちゃんを1人にしときたくなかった。


「いいよ。
 ...行き先は俺が決めていい?」

「うん。」

聖ちゃんが行き先決めてくれて助かった。

『寄り道しない?』とか言っときながら行き先とか全然考えてなかったから。


私は先に行く聖ちゃんを後ろから追っかける。

『あれ......?』

私はここを通ったことある・・・

それも何回も。



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