一番星
「泉ちゃん。」

ん??

どこからか声がしたような・・・

周りを見回したけど誰もいない。

空耳だと思って自分の鞄の中からポーチを取った。


「泉ちゃん。」

また空耳かな・・・?

そう思いながら後ろを向くとそこには・・・・・・



『聖ちゃん』がいた。


「聖ちゃん!?」

昔と違って無表情に近い顔で低い声をしていて背が高くなってる聖ちゃんがいた。


「泉ちゃん変わらないね。
 10年前と。」

聖ちゃんが意地悪な笑みをこぼした。


「聖ちゃんは少し変わったね。
 格好良くなったし。

 そういえば前によく遊んでた公園の土管の中に石で文字書いた??」

これはずっと聞きたかったこと。


「何それ?
 知らない。」

聖ちゃんがうざそうに答える。


「結婚しようって・・・」

「覚えてない。」

聖ちゃんはそれだけ言うと教室から出て行ってしまった。
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