コタツ猫



あたしを

コタツから出すのを

諦めた拓ちゃんは…

あたしがいる斜め横の

コタツ布団を捲って足を入

れ座り、ため息をついた。



「未亜さぁ…

 いつまで落ち込むつもり

 ?いつまでコタツ猫して

 んだよ…?」



と拓ちゃんは

優しく問い掛けてくる。



「…………」



拓ちゃん

これは…

恋の病なんだょ

なんて言えない。




「ねぇ、拓ちゃん…

 なんで、あたしに彼氏が

 できた時、ウチに来なく

 なったの?」



「………」



「拓ちゃん?」




「…自信がなかったんだ…

 おまえの前でふつうな顔

 する自信がなかった…」



「…なんで?」



あたしは、思わず

コタツ布団から顔を出す。



すると、真上に拓ちゃんの

顔があって…



「ぉまえ…顔、真っ赤…」



と言って優しく微笑み

あたしの火照った頬っぺた

を拓ちゃんの冷たい両手が

挟み込む…。



拓ちゃんに触れられている

頬っぺたがジンジンする…



拓ちゃんの冷たい手のひら

は、とても気持ちがいいの

にアタシの心は騒ついてい

た――…。



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