幸せのカタチ~赤い宝物~
「べ…ベンチが小さすぎだけど?」
「あ?あぁ…。
また身長も伸びたしな。」
そう言って彰は立ち上がってホラって言う。
「一体、何メーター目指してんのよ?」
「3メーター?」
「ホントバカ…。」
さっき座ってた所から少しずれて座り直して、私に座れば?って促す。
こうしてると、半年前に戻ったみたい。
何も喋らず、このままもう少し居たい。
そう思った時彰から、口を開く。
「愛果さ、あいつと…付き合ってんのか?」
「はぁ~?」
思わずとぼけてみる。
彰の口から出た思いも寄らない質問に彰を直線した。
真剣な顔で私の返事を待ってる…。
「てゆうか、あいつって…誰の事?」
「あいつだよ…なんてったっけ?
ホラ、橘の彼氏の友達?
愛果といつも一緒にいる、テニス部のヤツ…。」
やっぱり伊原君の事か
直ぐにキッパリ否定する。
「付き合ってないよ。」
「そっか…。」
少しほっとした様に頷く彰。
何だろう。
それが聞きたかっただけなのかな?
半年ぶりに話すのが、他の男子の話って…
複雑な気分だ。