幸せのカタチ~赤い宝物~
イライラも収まった昼休み。
伊原君がウチのクラスにやって来た。
真直ぐに
青野さんの所に。
私も近くに居たはずなのに
私を見る事無く
青野さんの所に…。
「今度の日曜日空いてますか?」
そう言われた青野さんは驚いてる。
そして伊原君は机の上にあった青野さんのケータイを操作して、番号を交換して教室を出た。
私はそのやり取りをしてる間、後ろから見てるだけ。
見たく無かったけど、目が放せなかった。
伊原君は帰り際、私に気付いてニコッと微笑んでから教室を出た。
伊原君はきっと私が、心から伊原君の恋が上手くいくと良いって思ってるって思ってるんだろうな。
あの笑顔は、私が一番近かったハズなのに
この子が居なかったら
伊原君が青野さんを好きにならなかったら
こんな気持ちにならなかったのに…
私の事を見てる青野さん
何でそんな申し訳なさそうに私を見るの?
見ちゃいけないモノを見るみたいに
何で目を逸すの?
クラスで何人か、教室の外でも
私を見ながらヒソヒソ話をしてる。
なんか惨めだ…
凄く惨めだ、私…