幸せのカタチ~赤い宝物~
「結構人多いね。」
競技場の近くは人で一杯。
アップをしてる選手や、父兄や応援に来て居る人達。
競技の時間を確認しに、入口まで行く。
そこにはAブロックとBブロックに別れて、リーグ表も張ってあった。
ウチの学校の名前を探す。
「あっあった!
Bブロックの左から3番目!」
友來がリーグ表を指差す。
書かれた学校名の上に繋がる、赤く色の着いた線を辿って目線を上に上げていく。
「Bブロック優勝してんじゃんっ!」
友來が良かったねって言いながら、私に抱き付く。
「……そうだね。」
私もホッとして頷いた。
去年の総体は、Aブロックで2位でBブロックの2位と闘ったんだ。
でも今年は1位通過
去年より輝いてるメダルは決定だね。
そう思うとそれだけで嬉しかった。
「3時から決勝だから…ってもぅ2時半だし!!
コートはウエストだからっあっちだっ…
ホラいくよっ急いで行かないとっ!!!」
友來はケータイの時計を見るなり、慌だしく私の腕を掴んで走り出した。
それも陸上部ばりのダッシュで!